戦略は遠くに、計画は近くに。

エッセイ

戦略は遠くに、計画は近くに、というのは当たり前のことだ。

計画というのは現状分析も含まれる、戦略はそれを踏まえて展望を描くことだ。

けれど、現状分析に熱中すると、展望を忘れてしまうことがしばしば。

しんどいと思ったら、足元ばかりを見ている場合が多い。

目を上げること。

現状分析ばかりではしんどくなる。ときには上を見ること。

ビジネスでは行動力が問われるといわれる。躊躇するよりまず一歩というのが、肝要なのだろう。

確かに頭でいくら、計画を練ったところで、現実は思い通りにいかないのは、学生時代の勉強で大なり小なりみな経験していることだ。

まず、一歩、それによって足らないところも見えてくる。

けれど、いくら行動力が大切といわれても、いつまでも無計画なままではリスクばかりが高くなってくる。お金ばかりではなく、時間も浪費されてしまう。

できれば、事業を始めるに当たって、ある程度の見通しと、計画性はほしいもの、そうすると、戦略も見えてくる。

私はブログを八ヶ月ほど続けて来たのだけれど、予想が外れて、まったくアクセスのない状態になっている。原因ははっきりしていて、私がSEOに対してまったく無頓着だったからだ。

で、いまその方向性を見直そうとしているのだけれど、始めの一歩がかなりみごとに失敗したために、次の行動を踏み出すことにかなり及び腰になっている。

具体的にいうと、計画が立たないのだ。

できれば、失敗は一回で終わらせたいので、次の行動は慎重になるのは仕方がないことだろう。

けれど、失敗がまったくない事業など存在しない。有名なブロガーも何十回もブログを潰したといっている。それくらいしないと、成功はないということだろう。まあ、それはいい。私もブログを潰すことにはそれほど抵抗はない。

課題となっているのは、私がいかに物書きとしてやっていくかであり、作家というのが、私の生業、事業であるから、これを成立させるためにいかにブログを運営するか、あるいは運営しないかにある。

作家だから、作品を書く。それをビジネス置き換えると、商品となる。商品(あまりこういう言い方はしたくないが)を作るためにはそれ相当の労力と時間が必要であり、そうなると、ブログでSEOを研究している暇なんてものはない。

と、こう考えて結局、計画が立たなくなった。

作家でブログを戦略的に運営しているひとはまずいないし、そもそもネットでの存在感は希薄ですらある。先行者がいない、参考例がない。

つまり、何が正解か分からないので、計画が立てづらいのだ。

俯瞰して観ると、これにも問題が隠れている。

戦略が立たないという一番の原因は、計画に熱中し過ぎていることにある。

現状の分析に熱心なあまり、五年後、十年後の視点を見失っているのだ。

ここでジョブズを出すと、話は大げさになるかもしれないが、ジョブズはすでにビジネスの根本を見直している。

ジョブズはボトムアップで考えない、常にトップダウンだ。

つまり、理想が始めにあって、それをいかに実現できるかを考え、現実に不足があるならそれを変えていくのだ。

ビジネスマンはこの発想もぜひ取り入れたい。現状分析ももちろん、必要なことだけれど、分っていても、それに集中してしまうと、展望を見失う。

しんどい、と思ったらもうそれは将来への視点を見失っている。

医学的にも、気持ちが暗くなるなら、目を上にあげれば良いといわれている。

現状分析はいってみれば、地べたに転がっているものを拾い上げる作業だ。上がない、夢がない。

目を四十五度上げるだけで、そこに求めている果実がぶら下がっているかもしれない。

戦略というのは単に、事業計画ではなしに、メンタルケアでもある。

五年後、十年後の夢を見る、想像するというのは、現在時の苦しみの解釈を変えるからだ。

では、また!

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