2022-04

小説

桜の歌[短い小説]

葉桜の季節に「花見」に行くのが京子の楽しみだった。しずかとふたちでピクニックに行く。公園には妙な係員がいた。桜が歌うというのだ。不審におもってふたりは相手にしなかった。食事を終えて、カフェでくつろいぎ、帰るころ、何か聴こえた。歌のようだった。
エッセイ

よく分からないから、おもしろい?

休日、大阪に行った。午前中は本屋に行って、売れている本を見て回った。なぜ売れるのかはっきり分からない。それがいい。午後、美術館に行く。押して歩く壁の作品があった。よく分からない。それがいい。その前に、蕎麦屋に行った。店主は不機嫌だった。分からない。これでいいのか?
エッセイ

知識人にならなくたっていいや。

なまじ物書きとしての活動をしているので、勉強して必要な知識は獲得しなければならない。でも、これがたまにうっとうしい。私は、芭蕉や良寛のような流浪の詩人に憧れ、彼らが知識人でなかっただけに、自分の努力が無駄のように思えて来る。暇だからそんな悩みも起きる。
エッセイ

怒りについて。

怒りというものほど、征服しがたいものもない。先日、あるひとにメールを送って、無視され、憤怒した。しかし、怒りの原因は、変に私が自分自身を高く見積もっていたことにあるようだ。上下関係は、怒りのもととなる。でも、自分などたいしたものではない、そう思わないとしんどい。